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2019年10月13日

余談:庄内の釣りとアオリイカ

余談:庄内の釣りとアオリイカ


  

 このたびの台風に際し被害に遭われました皆様には

心よりお見舞いを申し上げます。


 水の被害が目立つ今回の台風19号

ここ2~3日海も強制閉鎖状態なってしまう事でしょう。





 さて、庄内のアオリイカも終盤を迎えておりますが

庄内の釣り師にアオリイカはいつ頃認識され

釣りの対象になったのでしょうか?

一度調べてみたいものだ・・と思っていましたので

この機会に、書物と記憶をたどって書いて見たいと思います。


 気の向くまま、思いつくままの文ですので

興味の無い方はスルー お願いします m(__)m





 庄内最初の釣り書物である江戸時代の「垂釣筌」

によると、鯛類はもとよりアジやメバル、鱈や鮫についての記述はあるものの

烏賊類に関する話は一切出て来ません。



 それ以降の釣り記録にも出てくる気配はなく

昭和の釣り案内書の代表格である「羽越沿岸名釣り場」 (S51.荘内日報社)

をくまなく読んでみても、アオリイカは一言も出て来ない

黒鯛、真鯛、鱸を中心とした釣り場の紹介・解説書であるが

烏賊なぞは釣りの対象と見なかったのかも知れません。


 そして昭和53年、前記の続編で当代の名人上手が明かす技術書「私はかく釣った」(荘内日報社)

書中に烏賊の獲り方が出て来ます。伊関 栄 氏(日本海さけ・ます増殖センター所長 当時)

が記述された内容を簡単に紹介します。


 氏は鹿児島県枕崎に住んでいた頃、釣りの師匠からイカの釣り方を学んだ

(アオリイカとは書かれていないが、内容からアオリと思われる)

  道具・・・リール竿と引っ掛け竿、エサはボラ子やアジなど生きた小魚

  釣法   ① 針をえさの背びれの下を両側に刺す
        ② 20m以上遠くに投げ、静かに引いて来る
        ③ アタリは糸を1m位数回引く、この時糸をのばしてやる
        ④ 糸にブリブリと手ごたえがあればエサを食っている時で
        ⑤ 糸を巻きながら引き寄せ、引掛け竿で引き上げる

 九州地方伝統の餌木ではなく、ヤエンの様な釣り

庄内に来て磯場でイカを見掛けるので、今度釣ってやろう

と書かれているので、その時点ではまだ釣ってはいなかったのでしょう

その後どうだったのかは残念ながら不明です。


 伊関氏の話しは西暦で1978年前後の事

少なくともその頃までは、庄内では釣りの対象では無かったと言えるでしょう。


 私が黒鯛釣りを本格的に始めたのは1970年代の前半

当時は活きエビを餌としたフカセ釣りが中心で

秋磯になると、エサのエビにイカが追って来ると

釣り仲間で話題になる事が有り、私も磯に小さいイカが居る事は認識していました。


 その頃の鶴岡に於ける釣り業界は、道具を売る釣具屋と、エサを売るエビ屋の分業制で

釣り師はそのどちらか、又は双方にたむろして情報の交換・共有をしておりました。

しかし黒鯛命の釣り人達は、イカなどに関心は無く邪魔者扱いで

ましてやそれが高級なアオリイカであることなぞ

ほとんどの釣り師は知らず、捕える術も知らなかったと云う事です。




 その後20年余り経過して

東京に出張で出掛けた際、3.5号の餌木を仕入れ

加茂荒崎で初秋の頃釣ったのが、私としてのエギング第一歩なります。

今を思えば、10cm程度のアオリがよくも3.5号に抱き着いたもんだ

と思うのでありますが、この辺のイカは餌木なぞ見たことが無かったのかも知れません。




 2000年に入った頃から防波堤や港内で、アオリ釣りをする人をチラホラ見かける様になりました

声を掛けて見るとほぼバス釣りの若者、ブラックバスが特定外来生物扱いになり

同等のタックルで釣れるアオリイカに、バザーの流れが出来たのは全国的傾向の様です。

磯釣りには不案内なバザーですから、磯に出る人はあまりおらず

日中ピーカンの中、磯場は釣り放題のパラダイスでありました。


 温海方面の知人で私が勝手に名前をつけた したなみ爺さん

によれば、浜の人達もアオリの事はよく知らなかったし、獲り方に熱心でなかった

と言う事の様であるが、それが今やご承知の通りの状況。

にもかかわらず、アオリが少なくなった感じはしません

より賢くなったと感じる事はありますがね。


 あれだけの新子が居て藻に着く習性のアオリイカ、全てが南方から流れて来る訳はなく

間違いなく地元で産卵、成育のサイクルが出来ていると考えられます。


 食べては絶品なアオリイカ

食にうるさい庄内人、好んで食べなかった訳がない

それが何故に先人の釣り記録に出て来ないのか、不思議でなりません。

薩摩や紀州など餌木は古来からの伝統漁具

庄内に伝わっていてもおかしくは有りません

おそらくアオリなんぞ南方のイカで、こっちには居ないものと思われていたんでしょうね。


 メバリングやアジングは

従来から有った対象魚のエサ釣りから、ルアー釣りに替わっただけですが

エギングは伝統的漁具を、現代のルアー釣りに蘇らせ

釣りの対象魚(イカは魚ではありませんが)を新たに加えた画期的な出来事。

とりわけ庄内浜に於いては、磯釣りに新風を吹き込んだという意味で

釣りの革命と言っても過言ではありません。



余談:庄内の釣りとアオリイカ



 最後になりましたが

アオリイカはどうするのかと言いますと

釣った日は冷蔵庫で寝かせて、次の日に捌きます。

墨が落ち着いて処理が容易であることと

釣たては食感だけで旨味が少ない事によります

これは 現 加茂水族館名誉館長 村上 龍男 氏 から教えて頂きました。



 ほとんどが真空パックで冬ごもりの食糧なんですが

お造りはやはり生で頂きます。

一番好きなのは耳とゲソ、生のままだと撥ねるので

サッと湯がいてから天婦羅にします

ほぼ爆発はしません、これが我が家の一番人気ですね。






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